Fly me to the Moon

ってタイトル付けて記事書いてしまった(ついに)

はじめての自作ぬい

ある日突然、ぬいへの衝動が迸った。

この時点で100均のソーイングセットしか待ち合わせのなかったわたしですが約半月後完成しました。

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ぬいを作ろう!

 

初心者は道具に頼ろう

針山や刺繍針など明らかに必要そうなものを100均で買ったあと、最終的に買い揃えた道具一式です。

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・手芸用はさみ…ユザワヤで500円くらいでした。細かい作業が多いので、刃先が小さくて切れ味の良いはさみがあると精度が違います。

・糸切りはさみ

・ほつれ止め液…端処理不要な布だけ使うのでしたら不要ですが、服を作るなら必須です。

・2B鉛筆…刺繍下絵を描くのに使いました。家にプリンターがある方は不要だと思います。(後述)

・チャコエースⅡ(紫)…インクタイプのチャコペン。紫はゆっくり消えるので重宝します。鉛筆タイプは印をハッキリつけようとすると線が太くなってしまい、細かな処理の多いぬい作成においては致命的です。

・刺繍枠

・両面テープ…型紙と布とを留めるときに使います。必ず布用とか手芸用とかあるものを選びましょう。ものによっては両面テープを剥がすと布に粘着層がベッタリついてしまうものがあります。

・マスキングテープ…仮留めに使います。

・クリップ(小)…マチ針を使うのが下手くそだったので布の固定に使いました。

・ピンセット…服の細かい装飾をするときに使います。

・裁ほう上手(布用ボンド)…服を自作するならスティックタイプもチューブタイプもそれぞれ欲しいです。

・手芸用鉗子…布をひっくり返したりワタを細部まで詰めたりするのに役立ちます。代替品がないので、これはあった方がいいです。

 

ぬいぐるみ用の布

切りっぱなしで使えるトイクロスがおすすめです。ナイレックスもトイクロスと似た生地みたいですね。プライズ用ぬいぐるみみたいなザラっとしたしっかりめの生地なので扱いやすいです。

わたしは間違えてソフトボアを買いました。ものすごく肌触りが良くてすべすべですが、毛足が長く(=毛の流れを考慮する必要がある)、切ると端から繊維がぼろぼろ落ちます。伸縮性があってテロっとしているので、切るにしろ縫うにしろ動きやすくて扱うのに結構苦労しました。

最後のほうで、ソフトボアは薄手の接着芯をつけると作業しやすくなることに気付きました。

今回の自作ぬいは肌はソフトボア・髪と下半身はトイクロスを使用しましたが、異素材の組み合わせは難易度が上がるのでやめたほうがいいと思います…最後に地獄を見た。初心者からの言葉です。

 

参考にした作り方動画と型紙

ぬい本体の作り方と型紙

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トップスの作り方と型紙

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ズボンの作り方と型紙

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靴の作り方と型紙

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型紙のアレンジと設計図

まろまゆさんの型紙には15センチサイズと11センチサイズがあり、どちらで作るか悩みました。

細かい作業が多くなることは想像がつくので大きいサイズの方で作る気でしたが、最終的にはジャンヌちゃんとシャルルおじさんを一緒に連れて歩きたいという夢があったため、15センチサイズ×2ってだいぶでかいぞ?!と迷いが生じ、11センチサイズを試作してみました。

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無理だな、と思ったので15センチサイズで作ることにしました。

ジャンヌちゃんの服装は白のブラウスに紫のベスト、黒の膝丈パンツにグレーのタイツ・黒の靴のコーデを作りたかったので簡単な設計図を描きました。

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この時点で服の作り方がわからなかったので、この後作り方や型紙を探しています。

にーびさんの型紙で再現ができそうだと思ったのですが、適合サイズがツイステEXぬい。まろまゆさんのぬい本体(15センチ)の型紙と身長は同じですが見た感じ腕が結構違う気がしたのでフリーハンドで型紙をアレンジして、腕を細く長く変更しました。

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型紙を切って布を断ち縫う

型紙があるものに関しては、型紙を切って両面テープを貼り布にくっつけて布を切り出し、布の裏面に出来上がり線を描いてその通りに縫い合わせていくことの繰り返しです。無心で出来るし形になっていくので楽しいです。

ミシンは無いのですべて手縫いしました。(ズボンは縫わずに接着剤で作りました。)服以外は強いテンションかけて縫いました。ワタをぎゅうぎゅうに詰めたとき縫合が甘いと縫い目の糸が表から見えてしまいます(強いテンションをかけすぎて後ほど失敗しています)。

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ぬいの体ができました。

服と靴も作っていきます。

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できました。(とは言え道中いろいろ失敗しています。)

フリーハンドで型紙を調整した腕はなんとか服に入りました!トップスを作りながらぬい本体に当ててサイズ感を見たのですが、全くゆとりがないと思ったので袖は布端ギリギリを縫ってなんとか入っています。逆に身幅はすこし余ったので、マジックテープをつける位置でサイズを調整しました。裾は型紙より短くしています。ズボンも目算で丈を詰めました。

靴は足首まわり5センチの型紙の方でピッタリでした。(ワタの詰め方によっては靴がゆるいかもしれません。)

 

難関その1、ぬいの顔

顔は刺繍することに決めていたので、とにかく色んなぬいの顔をみて刺繍できるデザインを前提に顔を描いてみます。

こんな感じ。

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ついでに刺繍の練習もしておきます。

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こちらの図案は鉛筆タイプのチャコペンで下絵を描いたものです。線がよく見えず針を刺す位置がガタガタになりました。これは2本取りでの刺繍ですが、細部を再現できるだけのスキルが見合っていないので3本取りが妥当だと判断しました。

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こちらの図案は0.5のサインペンで下絵を描いてみました。細くハッキリした線なら正確に針を刺していけそうです。こちらは3本取りでの刺繍です。下まつげだけは2本取りでもいいかなと思いました。

本番用の布(ソフトボア)が届いたところで、かねてよりの懸念事項が喫緊の課題として浮上。それは刺繍の下絵をどうやって布に写すか、です。調べたところ、アイロンプリントシートにインクジェットプリンターで図案を印刷して貼り付けるというのがオーソドックスなやり方のようでした。しかし自宅にプリンターがありません。コンビニのコピー機レーザープリンターですしそもそも持ち込み用紙の手差しはコピー機の故障になり得るので選べませんでした。

チャコエースⅡ(紫)で直接布に描いてしまおうかと思いましたが、ソフトボアの表面は毛足が長く細かな図案を描き込もうとしても線が太くなってしまいます。裏面に図案を描いて刺繍してみたりもしましたが、難易度が高くて上手く出来ませんでした。

ピーシングペーパー代わりにクッキングシートに図案を描いて布に固定して刺繍する方法も試しましたが、細かい図案だと針を入れるに従ってシートに穴が空いていきやがて破れました…。

これでだめだともう方法が思いつかないぞと思いながら、水に溶けるシールタイプのシートを購入(こういうものです)。

さっそく図案をなぞり書きしましたが、先に失敗2例を。ひとつはチャコエースⅡ(紫)を使ったとき。シートの目が粗くインクが滲んでしまい、その状態から刺繍するとやはり針の目がガタガタになってしまいました。次は水性ペン、自宅にあった水性ペンで図案をなぞり書きし刺繍しましたが、水でシートを溶かしたときに水性ペンのインクが布について汚れてしまいました。しっかり落ちる水性ペンを探すことも考えましたが、白の刺繍糸を使うので、落ちたインクが刺繍糸に色移りする可能性を考えて諦めました。

結局使ったのは2Bの鉛筆でした。(使う布・図案・サイズ・お手持ちの機器や環境によって最適解は異なると思いますが、やり方は色々あります!)

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できた。(刺繍の出来には納得いかなかったので刺し直そうかと思いましたが、創作の鉄則「完成させろ」に従いこのまま進めます。)

わたしは刺繍してから型紙を当て直して布を切りました。そのあと裏面に薄手の接着芯を貼りました(刺繍の裏を保護するためと、縫いやすくするため)。

顔パーツ完成。

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耳のつけ方

まろまゆさんの作り方動画では「耳もつけましょう。型紙には載せていませんが」の次のカットで耳がついていたので「?!?!??」となりました。一時停止して画面を凝視するなどして観察しましたがよくわからなかったので適当にやりました。手順を載せておきます。

①半月状の左右対称のパーツを切り出す(縫い合わせる布の片側だけに厚手の接着芯を貼ってみました。たぶんやらなくてもいいです。)

②中表にして顔にくっつかない側を縫い合わせてひっくり返す

③顔にくっつく側(=縫い合わせていない辺)を首(?)のパーツに縫い付けておく

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④この状態で顔パーツと縫い合わせる

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完成は近いかもしれない!テンションが上がって、出来上がってもいないのにぬいスタンドを買いました。

 

難関その2、髪

まろまゆさんの型紙だけでは髪型ができないので、髪の型紙は自作になります。

顔の型紙に髪型のイメージを書きます(この時点でパーツを分ける必要があればそれを考慮しておきます)。

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イメージする髪型に合わせた型紙通りに布を切って実物で調整していきます。

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エ!なんかちょっとイメージが違う…髪型じゃなくて髪色が…ブラウン系をもう一色用意していたので、どちらがジャンヌちゃんぽいか並べてみます。

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見れば見るほど迷う。己の持つジャンヌちゃんの概念に揺らぎを感じて動揺してしまいました。(ツイッターでアンケートにお答えくださった方々その節はお世話になりました。)

ダークブラウンの髪色で作り直すことを決めて髪の型紙作り再開。

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エ!なんか違う…前髪がなんかイメージと違う…。

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まだちょっと違うなぁ、髪の分け目をもう少しきっちり出したい…。

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これを繰り返します。

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①後頭部のパーツ(まろまゆさんの型紙)

②後ろ髪パーツ(①と縫い合わせる)

③頭頂部のパーツ(まろまゆさんの型紙)

④前髪の土台のパーツ

⑤前髪のパーツ(④に貼り付けるつもり)

いよいよ縫っていきます。

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この状態で仮留めしてみます。

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いやいやいやいや、誰?(髪のパーツにダーツを入れる必要性に思い至らなかった結果です。)

ここから後ろ髪を取り直してもう一回後頭部パーツを作成し直し顔パーツと中表で縫い付けるところまで行きましたが、裏返してみたら衝撃の出来上がりだったのでなんとかリカバリしようと迷走をはじめます。動揺していたので途中経過の画像がありません。(写真に残せないくらい大変なことになっていた。)

最終的に、髪の型紙⑤のパーツは④に縫い付け、その上から部分パーツを足して布用ボンドで貼り付けました。後ろ髪の襟足は縫い付けた状態のまま長すぎる部分をカットしました。

これらは使わなかった髪のパーツ(試作も含む)の一部です。

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髪の作り方の正解は結局わかりませんでした…。

ちなみに、円柱状に縫い付けた顔パーツと後頭部パーツを縫い合わせたとき、円周の長さが1センチくらい(!)合いませんでした。おそらく、伸縮性のあるソフトボアと伸縮性のないトイクロスとで同じ力で糸を引いても生地の張り方が違うのでこの結果になったのだと思います。あと単純に中心線がズレてました。

 

もうすぐ出来上がり

頭と胴体部分のドッキングは何とかなったんですが、糸の留め方の正解がわかりませんでした。かなりきつく糸を引かないと頭がグラグラしてしまうのですが、その状態で玉留めできなくないですか?!ワタの上で安定しないからどうしても玉留めが緩くなってしまうと思うのですが。

わたしは胴体の平坦なところまで糸をくぐらせて針を刺し直し、そこで玉留めして固定しました。(大事な体をごめんねジャンヌちゃん…)

 

付属品を作る

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100均で売っていたデコパーツを分解して切ったり折ったり貼ったりしてボウタイにしました。細いリボンを隙間に通して背中でちょうちょ結びをして固定します。(結びやすくするためにリボンはかなり長くしましたが、服で隠れるので問題ないです。)

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バーレンベルク家の紋章のペンダント(紋章は省略)。一番細いボールチェーンとチャームを買ってきて組み合わせただけです。

 

完成!

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(この写真は自立してません。後頭部が壁にくっついてて立ってるだけです。)

 

みんなに勇気を与える失敗の数々

ツイッターで「自作ぬい」等と検索すると、できた!って投稿されているぬいの完成度が高くて、いやそんな、できた!って?!と困惑しながら作っていたので、初心者がつくるのはこの程度のクオリティですよという失敗の数々をご紹介したいと思います。

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腕の長さが違う。太さも違う。

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縫い目がものすごく出ている。

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刺繍が下手(まゆげにハゲがある)。

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頭が傾いてついてる(右向きだし、上向き)。

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肉まんを包んでいるかのようなディテール。

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縫い付けたまま切ったのでつけたかった曲線が再現できなかった襟足。

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雑なドッキング。

 

それでもかわいい。(※先行画像のポストカード)

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みんなもぬいを作ろう!

 

2021.10.31更新