Fly me to the Moon

ってタイトル付けて記事書いてしまった(ついに)

計画通り上手く運ぶわけはない宝塚市への旅

月組エリザベートー愛と死の輪舞曲ー」宝塚大劇場千秋楽公演(愛希れいかさんのサヨナラショーもついている特別な公演!)である10月1日のチケットを持っていたわたし(関東在住)が、台風24号に翻弄されながら宝塚市を目指す旅の物語である。

 

嵐が来る前

10月1日に宝塚大劇場へ行く予定は決まっていたのですが、前日の9月30日に花組「MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎− /BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−」のチケットが取れてどちらにも行きたかったので、どちらにも行くことにしていました。

つまり、9月30日は東京宝塚劇場花組公演を観て、10月1日は日帰りで宝塚大劇場の予定でした。観劇オタクにはよくあることですね。

ところが大型で勢力の強い台風24号が発生し、上記日程にモロ被りの進路であることから、予定を再考しなければならなくなります。

 

9月26日にしたこと

10月1日は航空券を取っていたのですが、この時点で当日飛行機が飛ぶかどうかに賭けるのは非常に危険でした。もし飛行機が定刻で飛ぶとしても、空港までの電車がダイヤの乱れなく動いているか、関西方面の電車も同じようにダイヤの乱れなく動いているか、を考えると10月1日に移動するのはかなりリスキーだと思いました。(線路に木が倒れたりしたら終わりですよね)

ということは、前乗りする必要があるので、まず10月1日神戸行きの航空券はキャンセルしました。同時に、9月30日のチケットの譲り手を探しました。幸い友人が行ってみたいと言ってくれたので、花組をプレゼンしつつチケットを託しました。

9月30日の宿泊先も用意する必要がありましたが、それは宝塚大劇場周辺であることが条件でした。先の台風で学習していたのですが、電車が止まってしまうと、近くまで行けたとしても結局劇場までたどり着けないのです。迷った挙句、残っていた宝塚ホテルの残り一室を仕事中に抑えました。仕事どころではない。

 

9月29日にしたこと

行きの航空券をキャンセルしたあと、代わりの足を用意するのは台風の進路をギリギリまで確認してからと思っていました。

この日、JR西日本阪急電鉄は9月30日正午を目処に運休予定と発表しました。 

空路と陸路なら陸路の方が確実と思っていましたが、陸路で向かった場合はより時間がかかるため、状況によっては途中で電車が止まる可能性が高いと判断、9月30日神戸行きの一番早い飛行機が残り一席だったので、慌てて昼休憩に抑えました。笹食ってる場合じゃねぇ!

この予定だと、宝塚大劇場周辺には正午より前にかなり余裕を持って到着できます。

9月30日は11時(貸切)と15時の二公演がありました。当然チケットは持っていませんでしたが、荒天の影響で交通手段がなくなっている場合当日券が買えるかも!と気付き、一気にテンションが上がりました。*1

ところが夜、翌日の当日券情報を公式HPで確認したところ翌日は当日券発売の予定なし、かつ15時の上演については当日午前に決定と書いてあります。マジか……。

 

9月30日午前中

定刻で飛行機は飛び、目的地に到着すると雨も降ってないし風も全然強くないですが……、ずっと気にして見ていた公式HPでついに15時公演の中止が発表されました。

阪急電車もびっくりするくらい人が乗ってないけれど、それもそのはず、百貨店やデパートは前日の段階で臨時休業を発表していますし、それに準じておそらくほとんどのお店や催し物は本日やっていないでしょう。あと、前提として正午を目処に電車が止まります。

という状況で、チケットも持っていないし当日券も売っていないけれど、宝塚大劇場へ行きました。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、宝塚市を目指す旅はここで無事到着して話が終わってしまうんですが、この後もすごく楽しかったので旅の思い出を全部書きます。

 

9月30日宝塚大劇場

到着したのは10時頃、この時点で雨は降っていませんでした。まずは館内状況を見て回りました。レストラン「フェリエ」「くすのき」は休業していましたが、それ以外のお店は終了時刻の繰り上げ予定はあるものの営業中で、寂しい感じはありませんでした。

宝塚歌劇の殿堂も営業中。月エリザ期間通算3回目ですが行って参りました。さすがに人は少なく、エリザベート展の映像コーナーもいつでも入って座って見られる状態でした。わたしはこの日まで見られていなかったので、楽しく拝見しました。すごい!テニミュ(概念)じゃん!『お前は青学の柱になれ』を初代〜9代目まで繋げて編集したみたいなエモさだよ!(10代目は現在公演中なところもテニミュと同じです!) そして同じ役だからこそ違いがわかってとても興味深かったです。やはり1998年宙組公演の花總まりさんが素晴らしくて、細切れ編集の『私だけに』でも心を打つものがあって涙しました。あとは銀橋にトートが仁王立ちになるシーンで、「うわっっっすごい太ももだ!!!」と思った瞬間、画面左肩に2009年月組と入っていました。これが瀬奈じゅんさんの太もも……!*2もちろんこの後、カンパニー/BADDY展示も楽しみました!

次はキャトルレーヴです。この後ホテルに戻って部屋で半日過ごすわけですから、この機会に、買おうと思っていた鳳月杏さんの「FOCUS ON」を!と思って書籍コーナーに直行したら売り切れていました……。計画通り上手く運ぶわけはない……。でも、東京のキャトルレーヴより品揃えがあるので、過去の珠城さんの2L判ブロマイドを購入しました!ホテルで部屋に飾る!

それから、歌劇コラボメニューのランダム缶バッジチャレンジ3回目のためにレストラン「ラ・ロンド」へ。

入店した時点で、お店が閉店するまで残り40分強。急いで食べます。食後のコーヒーをいただきながら、外袋を開封。過去2回のチャレンジは2回とも明日海りおさんでした。珠城りょうさんを自引きしたい、オタクとしてはその一心です。さて、3度目の正直はなんと……!明日海りおさんでした。ホントかよ。

いいオチがついたところで宝塚大劇場を後にしました。わたしが館内をうろうろしていた時間というのは11時公演の上演中でしたが、いつも通りとはいかないものの思っていたよりたくさんの人が来ていました。ここにいる人というのは、11時公演のチケットを持っていなくて、15時公演は中止なのでそれを観るわけでもなく、つまり観劇できないのが分かっていてお昼には電車が止まるという条件下でわざわざ来た人なのでしょう。そう考えると、宝塚歌劇のエンターテイメント力に感服しました。実際、わたしもすごく楽しく過ごせました。

 

9月30日宝塚ホテル

いつか泊まってみようと思っていた宝塚ホテルなので、この機会があって良かったです。

(宝塚ホテルとはこのような場所です。)(この写真、無意識に珠城りょうさんの正面に立って撮っていますね。)

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お部屋に入ってとりあえずテレビをつけると、初期設定がスカイステージ。さ、さっすが〜〜!

お部屋の備品の一つ調子が悪かったので、フロントに連絡して係の方に来ていただきました。そのときもテレビはスカステをつけっぱなしにしていて、ちょうど宙組銀河英雄伝説の東京千秋楽が終わるところだったので、『この愛よ永遠に -TAKARAZUKA FOREVER-』が歌われていました。係の方「この歌聴くと、一緒に歌っちゃいますよね〜」とお話ししながら備品を確認してくださったんですが、わたしは初心者もいいとこなので全然歌えません。文化の違いを感じながらお話を聞いていました。

その後は、宝塚ホテルを探検です!昔っぽさを残しながら、増改築を繰り返して現在に来ているのがすごくよく分かりました。肩肘張っちゃうようなクラシックさではなく、ずっとそこにある安心感みたいなものがありました。館内にほとんど人は歩いておらず、レストランやバーも一部休業、こんな写真が簡単に撮れるほど誰もいなくて静かだったので、世界の終末感があってよかったです。

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外は暗くなって、さすがに風雨が強くなっていました。完全に殺人事件が起こる雰囲気です。

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しかし、歩き回ってよく見ると、館内はところどころ雨漏りする箇所があるらしく、青のポリ容器に布を仕込んだ雨漏り対策セットが設置されており、殺人事件は起こらないタイプののどかな洋館であることに気づきました。良かったです。

スカステの映像が乱れたことで風雨の強さを感じつつ、横になった瞬間に寝ていました。

 

10月1日宝塚大劇場千秋楽

感想は割愛!1ヶ月ぶりに観た千秋楽公演はなんかもうすごくて、すごくドキドキして、なんかすごく良くて、本当に良くて、サヨナラショーというものは聞いたことしかなくて、初めてのサヨナラショーを観て、もうあまりの美しさ(それは視覚だけのことではなく、宝塚歌劇が築き受け継ぎ形になっている全てのものに対して抱く感情)に涙がポタポタと止まらなくて、それとは対照的なまでに等身大で晴れ晴れとした退団者のご挨拶に胸を打たれ、たまちゃぴ最高だなぁあああああああって思いながら腕時計で時間を確認しました。フライトの時刻が迫っています。

 

10月1日帰路

わたしが乗らなければならないのは、神戸空港19時10分発の飛行機です。このリアルな感じ、未来のわたしに必要となる情報だと思われるので書き残す使命を感じました。

大劇場で席を立ったのは17時、緞帳前の最後のご挨拶は見られませんでした。というのも、終演後に席を立つ方たちと同じタイミングでは人の波に飲まれてしまうので、敢えて早めに行動しなければなりません。

席を立ったら早歩きで館内を移動し、ロッカーに預けておいた荷物を回収、花のみちとソリオを早歩きで通り抜けて17時20分頃には阪急宝塚駅に到着しました。電車の乗り換えはうまくいったので、ポートアイランド線神戸空港駅まで順調にたどり着くことができました。神戸空港でチェックインを終えたのが18時30分です。保安検査場も混んでいなかったので、無事フライトに間に合いました。

これが、トップ娘役サヨナラショー付き・退団者2名の場合のタイムスケジュールの限界ラインだと思われます。

 

おわりに

このエントリーは9月30日にホテルで暇を持て余しつつ書き進めていたもので、最後は、

結論から申しますと 番狂わせ おもしろい!

としてオチるはずだったんですが、最後の最後に計画通り上手く運んでしまったのでオチを見失いました。

あら?でもそうすると、

計画通り上手く運ぶわけはない

予定通りいかない番狂わせ

だったのかしら?

 

*1:公演が中止になることは全く頭にありませんでした。

*2:珠城りょうさんの太ももが素晴らしいことに気づいた頃にツイッターで検索していると、珠城さんの太ももに言及している方の瀬奈じゅんさんの太もも言及率が高くて気になっていたのです。